腰が痛くて仰向けで寝られない原因は「反り腰」にあった!?正しい寝方で反り腰・腰痛を改善しよう!
腰の痛みでぐっすり寝られない…
朝起きると腰がだるい…
このような腰痛でお悩みではないですか?
これらの症状を引き起こす原因と考えられているが「反り腰」です。
反り腰は、女性に多く見られる不良姿勢です。
今回は、反り腰が及ぼす影響についてみていきましょう。
睡眠時の腰痛対策もご紹介します。
寝ているときや朝起きたときの腰痛でお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
良い姿勢と悪い姿勢の違いは背骨の湾曲にあった!
まずは、健康な状態の背骨を見てみましょう。
通常、背骨は、首から腰にかけてまっすぐ一直線になっているわけではありません。
このように、首は前弯、背中は後湾、腰は前弯しており、横から見るとS字状になっているのです。
カーブを描いているからこそ、外部からの衝撃をうまく吸収できるようになっています。
これは、人間が本来持っている「生理的湾曲」と呼ばれるものです。
次に、猫背の人の背骨を見てください。
一般的に、背中が猫のように丸まった悪い姿勢を私たちは「猫背」と表現します。
猫背になると、生理的湾曲が崩れ、S字のカーブが強くなっていることが分かると思います。
これは、肩や頭が前に突き出し、体中の筋肉や臓器に負担がかかっている状態です。
そして、こちらが今回ご紹介する「反り腰」です。
背中が丸まった猫背に対して、腰のS字カーブが強くなっています。
そのため、腰への負担が集中してしまうのです。
反り腰は、別名「出尻鳩胸(でっちりはとむね)」とも呼ばれています。
その名の通り、胸は前に、お尻は後ろに出てしまっている姿勢です。
反り腰の方の多くは、自分では良い姿勢をしていると感じているようです。
つまり、姿勢を正そうと胸を張りすぎているために、結果的に反り腰という悪い姿勢になっているのです。
ちなみに、このようにS字カーブがなくなり、首から腰に掛けてまっすぐになっている状態を「平背」といいます。
一見姿勢が良いように見えますが、こちらも体にかなりの負担をかけてしまう姿勢です。
反り腰の原因その1 長時間のデスクワーク
デスクワークなど、長時間いすに座っている方は、反り腰になりやすいといわれています。
そのため、慢性的な腰痛を抱えている人も少なくありません。
仕事だからどうしようもない…と放っておくと、痛みがひどくなり、仕事に集中できなくなる可能性もあります。
では、いすに座っているだけなのに、腰痛が引き起こされるのはなぜでしょうか?
まずは、座っているときの姿勢を考えてみましょう。
座っているとき、体の力を抜いて、リラックスしている人が多いと思います。
電車でも立っているよりも座っている方が楽だと感じませんか?
しかし、座っている状態でも体の重さは変わりません。
正しい姿勢でないと、腰に大きな負担がかかってしまうのです。
姿勢による椎間板にかかる圧力を調べた実験によると、次のような結果になりました。
(出典:ナッケムソン「姿勢の変化による椎間板内圧の変化」より
NACHEMSON A :THE LUMBAR SPAIN.AN ORTHOPAEDIC CHALLENGE.SPAIN 1:59-71,1976)
この表によると、立っているときの椎間板の内圧が100であるのに対し、座ったときは140となっています。
また、座って前傾姿勢をとると、椎間板には約2倍の圧力がかかっているのです。
つまり、立っているときよりも座っているときの方が楽に感じるのは、脚の筋力を使わないためで、負担が小さくなっているというわけではありません。
特に、座っているときには、腰に大きな負担がかかります。
これは、バランスがとりやすく、不自然な姿勢をとることができるためです。
その結果、椎間板ヘルニアが引き起こされる可能性もあります。
腰に負担をかけたまま、長時間のデスクワークをしていれば、腰痛になるのも無理はありません。
長時間同じ姿勢でいると、筋肉は硬くなり、乳酸などの疲労物質が蓄積されやすくなります。
そのため、疲労した筋肉の回復が遅れ、腰に痛みが出るのです。
また、運動不足のために、腰にかかる負担がさらに大きくなっていることも原因だと考えられます。
特に、重要な筋肉が背骨と骨盤、股関節をつなぐ「腸腰筋」です。
1日のうち座っている時間が長いと、この腸腰筋が衰えて、収縮してしまいます。
運動不足は、血行不良をまねき、さらに腰痛をひどくさせるだけでなく、体重の増加や骨粗しょう症による腰痛の原因となります。
座っているときに次のような癖のある方は、要注意です。
・背中が丸まっている
・片肘や頬杖をついて画面を見る
・机に対して斜めに座る
・お尻が前の方にずれ、背もたれに寄りかかっている
・脚を組む
・あぐらをかく
これらに心当たりのある人は、意識して改善してみましょう。
反り腰の原因その2 歩き方
いすに座っている時間が長く、普段あまり歩かないという人は反り腰を引き起こしやすいですが、営業など外歩きが多いという方も油断はできません。
歩き方に問題があると、反り腰の原因になってしまうのです。
その問題のある歩き方というのが、足を上げずに歩くというものです。
普段から歩くときに意識的に足を上げる人は多くありません。
ほとんどの人は歩幅を狭め、疲れないように、あまり足を上げずに歩いています。
このような歩き方では、腸腰筋が使われないため、衰えていってしまいます。
【反り腰を改善する正しい歩き方】
①お腹とお尻に力を入れて、骨盤を立てつことを意識します。
②息を吐きながらお腹をへこませ、お尻に力を入れてください。
③この状態のまま、脚の付け根から大きく振り出すように歩きましょう。
普段から正しい歩き方をすることで、インナーマッスルが鍛えられ、美しいスタイルをキープすることができます。
(参考:【反り腰改善】下半身太りや腰痛の原因かも☆治し方と骨盤前傾の矯正ストレッチ―美楽cafe)
寝ているときの腰痛対策
反り腰は、腰に大きな負担をかけるため、朝起きても疲れがとれない…という方も多くいらっしゃいます。
しっかり睡眠時間をとっているのに、余計に腰痛が悪化するなんて悲しいですよね。
反り腰の場合、間違った寝方も広まってしまっているので要注意です。
【間違った寝方】
「腰の隙間にタオルやクッションを入れると楽になる」
このような噂を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
試したことがある方もいるかもしれません。
しかし、これはNGです。
腰のカーブの下にタオルやクッションを入れて横になると、腰を余計に反らせてしまいます。
その結果、腰周りの筋肉が硬直し、反り腰を悪化させてしまいます。
また、うつ伏せで寝るのもやめましょう。
うつ伏せで寝ると、腰に大きな負担がかかってしまいます。
【正しい寝方】
反り腰の場合、横向きで寝ると、腰の負担を軽減することができます。
また、仰向けに寝て、ひざを軽く曲げ、その下にタオルやクッション、枕などを置くのもおすすめです。
この方法は、腰のカーブをやわらげる効果があります。
ただし、かかとが浮かないように注意しましょう。
睡眠時の腰痛でお困りの方は、ぜひ試してみてくださいね。
(参考:タオルを使って反り腰改善!反り腰の人の正しい寝方とは?)
まとめ
いかがでしたか?
腰の痛みで目が覚める…
睡眠時間は十分なはずなのに疲れがとれない…
腰痛によって、しっかりと寝られないのは本当につらいですよね。
このような悩みを解消するためには、原因となっている反り腰の改善が欠かせません。
毎日の寝方を変えるだけで、反り腰を緩和させることができます。
今回ご紹介した方法をぜひ試してみてくださいね。