どこに痛みを感じていますか?子供の成長痛!
成長痛という言葉はすでに市民権を得ていますのでご存知の方が多いと思います。実際に子供が成長痛を感じていたとしても大人になれば直るという認識が根強くなかなか専門家に相談することは少ないという方、多いのではないでしょうか。
確かに原因がよくわからない状態で起こる成長痛もありますが、中にはキチンとした原因がわかっていたり、対処法がわかっているものもありますし、ずっと放置してしまうと悪化してしばらく動けなくなってしまうものもあります。
成長痛は男子、女子の違いはありますがおおむね2~13歳の間に起こりますが、特にスポーツ障害といってスポーツに端を発するオーバーワーク(使い過ぎ)によって発症する疾患も成長痛の一部として捉えられています。当記事をお読みいただき、お子さんに当てはまるようであれば一度、確認してみるといいかもしれません。
それでは記事を始めてまいります。
成長痛はどこまでを指す言葉?
成長痛とは身体の関節や膝・かかとなど下半身に現れることが多いわけですが、冒頭のように原因がわかっているものもあればそうでないものもあります。原因がわかっているものとして挙げられるのが膝に痛みを伴うジャンパー膝やオスグッドと呼ばれるものや、かかとに痛みを感じるシーバー病などを上げることができます。
これら名前のついている疾患は大人のスポーツ選手にも表れることがありますが、子供の時の方が起こりやすいです。その理由はまだ身体の骨格が出来上がっていないことが挙げられます。
一般的にこれらの疾患は冒頭のようにオーバーユースによって起こります。具体的に言えば筋肉という組織は疲労すると硬くなる性質を持っているのですが、度重なる疲労が続くと筋肉が緊張し、その状態になってもさらに運動を続けていくと緊張した筋肉が骨と繋がる腱や腱と骨の間にある骨膜が炎症を起こしてスポーツ障害を起こすようになります。
では成長期の子供になぜ多いのかというと、成長期の子供は身体が成長することによって、この筋肉の緊張が常に起こっているからです。成長というと一見すると身体が全体的に徐々に大きくなっていくように思われがちですが、実は伸びているのは骨です。
成長期の骨は先端に骨端線(こったんせん)という軟骨を持っていて、ここにカルシウムが蓄積されることによって伸長していき、成長期が終わるとこの骨端線は徐々に硬質化していき、大人の骨になります。
次に骨が伸長していくことによってそれと繋がる筋肉や靭帯、腱といった組織も伸長していくので先ほども登場した骨膜の炎症が起こりやすい時期だといえるのです。
成長痛を予防するには?
実は成長痛は前述のように身体的な特徴によって起こるものもあれば、ストレスによるものが原因で起こっている場合もあります。成長期の時期は出来ることが増える反面、両親は自立を促すためにいままで出来ていたことを一人でやらせるようになりますから、保育園など慣れない団体生活や、兄弟とのいざこざ、あるいは言葉がわかるようになればゲームのやり過ぎや遊びの切り上げを親に促され、次第にストレスを感じるようになったりもします。
心理的要因から起こる成長痛の場合はなるべくストレスを貯めないように自分で出来ることをほめてあげたり、痛がる足をやさしく擦ってあげることで痛みが和らいだりもしますから、オスグッドやシーバー病のように痛みを感じる部分が腫れ上がっていなければためしてみてください。
まとめとストレッチ方法
今回は2~13歳の成長期によくみられる成長痛について記事を書いてまいりました。文中にもあるように成長痛は原因がわかるものもあればわからないものもあります。患部に腫れなどがなくてもお子さんが痛みを訴えている時は素直に話を聞いてあげるようにしましょう。
それでは最後に身体的な特徴で起こる成長痛の予防法ですが、これはやはり運動前後のストレッチを欠かさないなど、筋肉を柔軟にすることが大切です。例えばふくらはぎやアキレス腱などのストレッチには以下のようなものがありますので是非、試してみてください。
(ふくらはぎとアキレス腱のストレッチ)
直立姿勢から片脚を後ろに引いて、アキレス腱とふくらはぎを伸ばします。
骨盤が壁と水平になるような姿勢を意識して、踵かかとをグーっと床に押し付けます。この姿勢を90秒キープしてふくらはぎとアキレス腱を伸ばしていきましょう。
骨盤を壁と水平になるように姿勢を整えて、片脚を後ろに引いて、反対側の膝を壁に近づけるように曲げます。踵かかとは床から離さないように意識したまま、この姿勢を90秒キープしましょう。
硬まった足裏の筋肉をほぐす方法です。ゴルフボールやテニスボールを足の裏に置いて、ゴロゴロと踏み転がしてください。やや痛いと感じる箇所で90秒キープしましょう。
※手すりを持って行うなど、足元に注意してください。また、痛みがひどすぎるときは中止しましょう。
引用:西宮回生病院