きっかけはどこにある?思春期痩せ症!
学校は同年代の人たちと出会い、共に青春を謳歌したり、時には喧嘩をしたり、一緒に勉強したりと楽しく感じる人には最高の環境だと思いますが、ある人にとっては消えないトラウマを抱えたり、周りについていけなくて学校が嫌いになってしまったりと、よくも悪くも人の人格を形成する上で、重要な場所といえます。
また学校に通っている年代の子供達は精神的に親からの自立を望み、親のいう事を聞きたくなかったり、話したくなかったりして、なかなか学校の状況が掴めないこともよくあると思います。
そんな中で気を付けていただきたいのが今回ご紹介する思春期痩せ症(神経性痩せ症)です。いわゆる摂食障害と呼ばれる疾患で、以前は高校生などにみられていましたが、1990年後半からは10~15歳、あるいは昨今では小学生にも見られることがあります。
大人になってからかかる拒食症などとは異なり、この年代は身体が出来るために食事や栄養は大人以上に必要であり、それが原因で骨がスカスカになってしまう骨粗しょう症になったり、身長が伸びない、第二次性徴が来ないなど様々な症状の原因になってしまいます。それでは詳しく見てまいりましょう。
思春期痩せ症について詳しく!
戦後間もなくの食糧事情とは大きく異なり、現代では好きなものを好きなだけ食べられる飽食の時代を迎えました。そうなると食事に対する認識も大きく変わるもので、自分の好きなしか食べない、あるいは食事を残しても大丈夫という感覚になります。
また飽食の時代になればむしろ痩せている方が美しいと美的感覚も変わり、メディアもそういった痩せているモデルが美しいと声高らかに表現することでそれに敏感な女子高生もその影響を受けることになります。
すると今度はあの子は痩せている、あの子は太っているという選択が始まり、それによって自分も痩せなくては馬鹿にされてしまうという強迫観念を持つようになりダイエットが始まっていきます。
そしてダイエットを続けていると、さらに痩せる為に極端なダイエットに取り組むようになり、そのうちに思春期痩せ症が始まり、食事をほとんど取らなくなってしまいます。
思春期痩せ症はやはり男性よりは圧倒的に女性に起こりやすい疾患だと思いますが、実はこの疾患の予備軍は非常に多く思春期の50人に1人が入っているといわれています。また女性だけでなく最近では男性にも増えている、というデータもあります。
思春期痩せ症の症状
それではすでに少し前述していますが、思春期痩せ症になるとどのようなことが起きるか。確認していきましょう。
例えば精神的な問題であればイライラ・情緒不安定・不安・うつ症状などが挙げられます。あるいは体型や食事についてこだわりが強くなるのが一般的で、これは元々、思春期瘦せ症になる子供は真面目で完ぺき主義者、そして周りに合わせるような子に起こりやすいので元々持っている気質がさらに強く出てしまうということです。
あるいはどんどんと痩せていくことで筋肉が少なくなり、寒がりになったり、低体温、手足の冷えを気にするようになります。筋肉は身体を動かすだけのものではなく、身体の体温を作り出す働きも持っているのでその影響です。
また非常に懸念されるのが食事を摂取しないことによるカルシウムの不足です。成長期において、まず初めに大きく伸長していくのは骨です。骨が成長するので筋肉、腱、スジなどがそれを追う様に成長していくことで身体が大きくなるので、この時にカルシウムが不足すると身長が伸びない、あるいは冒頭でも示したようにその状態が続くと骨粗しょう症という骨がスカスカになる疾患にもかかりやすくなってしまいます。
まとめとサイン
今回は思春期の子、50人に一人が予備軍になっている思春期痩せ症について記事を書いてまいりました。何度も出てきていますが、この時期のお子さんはなかなか親と話せない反面、前述したような症状が将来に及ぼす影響を知りません。
以下に思春期痩せ症のサインをまとめた文章を引用してみますので、もしお子さんに当てはまる症状がみられたり、不自然に食事を取らなくなった際は思春期瘦せ症を疑ってみてください。
子どもの摂食障害に気がつくことが第一歩です。最近は、小中学生でもダイエットは一般的です。母親も一緒にダイエットしていることが珍しくありません。いつの間にか、子どもが極端に食べなくなったり、明らかにやせてきたりしても、最も身近な家族が気づかないこともあります。その際は、学校の担任や養護教諭が気づいてくれることも少なくありません。給食を食べなくなった、朝食を食べない、肉や魚・油ものを極端に嫌う、料理の本やテレビ番組に特に興味が強くなった、自分の腕や足が太いと言って不機嫌になることが多い、やせているのに以前より活発になって椅子に座ろうとせず、マラソンなど運動を過剰にしたがる、自分が食べることよりも、家族に食事を摂らせようとする、家族が食事を残すと怒るなど、いろいろサインがあるはずです