小さな骨でも影響力はある?母指種子骨障害!

人間の体はすべて一つ流れで出来ている、そのため足の裏の疾患が肩こりや腰痛に影響を及ぼしたり、人体に不要な組織は存在しないということはよく言われていますが、今回は健康な状態であれば気にもとめないような小さな体の組織のお話をしたいと思います。

その名前は母指(ぼし)種子骨障害と言って母指とは親指のことを指しています。しかし今回は手の親指ではなくて足の親指の付け根にある種子骨と言う小さな種に似た骨のお話です。

足の親指は手の指と異なり普段見る機会はありませんし、足の親指以外は小さな指で出来ているのでそんなに気にも止めないと思います。しかし足の小指を失ったり、親指以外の骨を一本失なっただけでも体のバランスは崩れ、歩行が困難になるなど非常に大切な組織ではあります。

この疾患は陸上競技やバスケットボール、あるいはランニングまたはサッカーなどよく足を使って走るスポーツ選手に多く、その他にも空手や剣道など踏み込む動作がたくさんあるスポーツ選手にもよくおこります。

主にこの障害は小学生中学生に発生する機会が多いのですが大学生以上や大人の方にも練習しすぎで起こる場合もあります。当記事をお読み頂き、ご自身にもあてはまる症状があればぜひ専門家の方に相談してみてください。それでは記事を始めて参ります。

足の裏の構造

それではまず初めに、足の構造からご説明していければと思います。私達が歩く時や走る時に曲がる足の指の付け根、正式名称は中足趾節関節(ちゅうそくしせつかんせつ)と言う呼び方をします。

そして、やはり歩くなど行動を起こした時に踏ん張りがきくように足の指は主に大きな二本の骨で構成されています。その二つは足首に近い方を中足骨、そしてつま先に近い方を基節骨と呼びます。

そしてそれらを繋ぐのが先程ご紹介した中足趾節関節なんですが、長いのでMTP関節と言う呼ばれ方をしています。そして今回のテーマの種子骨と言うのはぼしMTP関節の下側に存在し足の裏の圧力を吸収したり、腱や筋肉の動きを滑らかにする働きを持っています。

その種子骨が炎症を起こすのが今回のテーマになっている母指種子骨障害なのですが、主な症状は初期段階では足の裏や足の付け根が痛いという所から始まり、それを放置し、さらにスポーツを続けたり過度な負荷を掛けると種子骨が骨折してしまったりもするので注意が必要です。

この種子骨は主に足の裏にある足底筋と言う筋肉が収縮することで私達はスムーズに歩くことが出来るわけですが先程、冒頭で出てたようなスポーツを繰り返し練習したり、運動不足の状態から突然長時間を歩いたり、走ったりすることでこの足底筋の緊張が高まり、種子骨が炎症を起こすようになります。

また先程、種子骨は足底筋と繋がっているというお話をしましたがその後ろにある踵(かかと)、つまり踵骨はふくらはぎの筋肉や太ももの筋肉と繋がっていますので母指種子骨障害が発症するのと同じように足底筋膜炎、あるいは踵骨骨端症という疾患にも掛かりやすくなります。

母指種子骨障害の対処法

母指種子骨障害を始めとする足の変形関節の痛みなどを改善するためには、例えばスポーツなどをしている場合はそのスポーツを一時、休息痛みが治まるまで待つようにしましょう。

痛みが引いてきて練習が再開できるようなったら、練習前に準備運動をしたり、練習後にクールダウンをしっかり行うことはもちろん、できれば現在はいている靴の中に耐衝撃性のあるパットや柔らかい素材を入れることによって足の負荷を軽減させたり、テーピングを用いて母指へのストレスを軽減することを考えましょう。

あるいは普段の準備運動で上半身や下半身を中心に行っている方は先程から登場している足底筋つまり足の裏側にある筋肉をしっかりと伸ばすような準備運動を取り入れるようにしましょう。

また、母指種子骨障害に限らず親指が内側に変形してしまう、外反母趾やタコ・ウオノメなどが足の裏にできやすい方はやはり靴であったり、普段の姿勢や骨盤のゆがみなどが原因で起こっている場合があるのでご自身で解決が難しい場合は専門家に相談してみましょう。

まとめ

今回は足の親指にある小さな骨が原因で痛みを引き起こす母指種子骨障害について記事を書いてまいりました。文中にもありますが、初めは放置できるような小さな痛みでも悪化すると骨折などを引き起こして改善に時間がかかります。

日ごろから準備運動などを心がけてケガをしない身体作りをしましょう。また少ししか触れられていませんが、普段している姿勢はケガや膝、足などの形に意外なほど関わってきます。

歩き方、座り方、立ち方が悪いと少しずつ身体のどこかに負担を掛けていって、いずれは大きな疾患に代わるといういい例ですね。若い時分から老後に備えましょうとはいえませんが、どなたも痛みのない身体を求めていると思いますので、注意するところ、改善できるところがあれば直していきましょう。