スポーツするなら覚えておきたい、スポーツ障害!
体育や部活など運動が身近にある学生時代と異なり、一度社会に出てしまうと自分で行動しない限り運動をする機会はあまりありません。しかし、若いころよりもむしろある程度の年齢に差し掛かった方のほうが運動は大切です。
例えば運動をすれば仕事や人間関係、家事、育児などでたまっていくストレスの解消にもなりますし、代謝があがり、筋肉がつくことで痩せやすくなったり、一定の目標を設けてそれを達成することで幸せホルモンと呼ばれるドーパミンやセロトニンの分泌を促すこともできます。
しかし、そうはいっても時間がなくてなかなか、、という方もいらっしゃると思いますが、日常の中で10分や20分ほどの時間であれば自助努力によって捻出することは可能ではないでしょうか。
さて、運動はとても大切ですが、学生ではなく責任のある立場であれば一番怖いのはケガですよね。ケガをすると満足に作業がこなせなかったり、痛みから集中力を欠いてしまう場合も出てきます。
今回はそんなスポーツに関わるケガのアレコレについて記事を書いていきたいと思います。それでは始めてまいります。
スポーツ障害とスポーツ外傷
一口にケガといってもその分類は様々で、特にスポーツに関わるもので言えば、捻挫、骨折、肉離れなど足を捻ったり、他人と衝突したりといった一度で起こるケガをスポーツ外傷(急性スポーツ障害)。
疲労骨折、関節炎、腰椎椎間板ヘルニア、鵞足炎(がそくえん)など度重なる練習や酷使によって組織が損傷する場合をスポーツ障害(慢性スポーツ障害)と呼びます。
当たり前の話ですが、競技の種類によってよく使う部位は様々なので、その競技特有のケガをしやすい部位が存在します。例えば野球なら肩、サッカーならば足首や膝、ゴルフなら肘、卓球なら腰、あるいはハンドボールやバレーボールであれば突き指などもそうです。
スポーツ外傷は突発的に起こる事故ですのでどうしても防ぎようのないものも多いのですが、スポーツ障害は日々の積み重ねで起こっていくものなので、運動前の準備運動、運動後のクールダウンなどをきちんと行い、身体を柔軟に保つことで解決できることも多く、日ごろからの身体のケアをしっかりと行うことが大切です。
よくあるスポーツ障害のまとめ
それでは以下にスポーツ障害のいくつかを紹介していきたいと思います。
シーバー病・オスグッド症:これは成長期によくあるスポーツ障害です。成長期は大人と違って骨格構造も弱く、筋肉も競技に適したものになっておらず、腱にかかる負担が大きな時期です。シーバー病はかかとに痛みや腫れが起こる疾患で、オスグットは膝、またはスネに痛みがあらわれるシンスプリントという疾患もあります。いずれも成長期によく起こります。
野球肩:肩の筋肉や靭帯の使い過ぎによって細かい傷がつき、炎症を起こす疾患です。名前の通り野球をしている選手によく見られますが、同様の疾患が水泳選手、ハンドボールの選手、バレーの選手など、手を肩よりも上にあげる競技をしている方に多く現れます。
鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群):難しそうな名前ですが、要は股関節の使い過ぎによって炎症が現れる疾患です。サッカー選手によくみられるのですが、サッカーで強いシュートを打とうとすると下半身だけでなく、左手を振り上げてキックのタイミングで振り下ろす動作が行われ、この動きを反復することで中心になる股関節に負荷がかかり炎症を起こします。
疲労骨折:文字通り、同じ個所の骨を使いすぎることによって大きな衝撃がなくても骨にヒビが入ったり、亀裂が入ったりしてしまうものです。疲労骨折は個人差がありますが、骨にはほとんど神経が通っていないので軽い違和感ぐらいで痛みをあまり感じないという方がいますが、ヒビが入った木やレンガのようにちょっとしたはずみで完全骨折してしまう可能性もありますので違和感を放置しないようにしましょう。
まとめ
今回はスポーツをする方に覚えておいていただきたいスポーツ障害をいくつか紹介させていただきました。冒頭にもありますが、運動は若者よりもむしろ年齢を重ねた方にこそ行っていただきたいものですが、ケガには注意が必要です。
また文中にもある通り、運動前の柔軟と運動後のクールダウンは後に発生するかもしれない様々な疾患を回避することに役立ちますので、怠らないようにしましょう。今回ご紹介したもの以外でも骨折、アキレス腱断裂、肩鍵板(かたけんばん)断裂、など改善するのに数週間~数か月かかる疾患もありますし、脊柱分離すべり症(背骨がズレる疾患)や椎間板ヘルニア(椎間板が変形、破裂する疾患)などのように一度、痛めてしまうと将来にわたって腰痛や肩こりなどに苦しんでしまう疾患もあります。
いずれのケガでも痛みや違和感を感じた時は安静を心がけ、放置をしないように適切な対処をすることが大切です。身体のケアや改善したい痛みなどがあればお気軽に当院までご相談ください。