あなたの姿勢は本当に良い姿勢!?反り腰!
姿勢は人の印象を決める大事な要素です。できれば背中がピンっと伸びた姿勢でいつもいられると自分にも自信が持てるし、他人からの印象もいいので理想的ですよね。
一方、背中が曲がって肩が前に出ている猫背や巻き肩といった悪姿勢は、見た目の悪さだけでなく、肩こりや腰痛、自律神経失調症など様々な悪影響を及ぼします。
しかし、猫背や巻き肩が悪い姿勢だということは理解できていても、良い姿勢ってどんな姿勢なの?と思ってしまう事もありますよね。反対に良い姿勢を目指して背筋をピンと張っているのに腰が痛くなってしまう場合もあるはずです。
今回は、そんな前傾姿勢を正そうとして姿勢矯正を意識した結果、反対に後傾姿勢になってしまう反り腰について記事をまとめてまいります。
反り腰の判断方法と悪姿勢の理由
ではまず初めに、前傾・後傾姿勢を含めてご自身の姿勢が正しいかそうではないかを確認してみましょう。というのも姿勢の悪さというのは自分ではなかなか気づくことができないからです。
なぜなら他人の立姿勢をみればいいか悪いかは明確ですが、自分のこととなるとモデルのように立っているつもりでもまっすぐに立ててないという事がよくあるのです。それはまっすぐとした姿勢の感覚がつかめていないからです。
特に姿勢というのは普段からの習慣がとても重要で、鏡張りでウォーキングの練習をしているモデルさんだからこそ姿勢の悪さに気づけるだけであって、ぱっと見るだけではなかなかわからないものです。
さらにいえば、現代人の方々の姿勢が悪いのは、もちろんパソコンやスマホの普及が原因の一端を担っていますが、猫背はよくない姿勢だ、ということは昔から言われています。であればパソコンだけが原因ではないはずです。
悪姿勢の一番大きな理由は悪い姿勢が「楽」だからです。例えば猫背をはじめとする前傾姿勢は背中の筋肉を使用しません、また重力にも逆らっていないので体は楽です。反対に反り腰は上半身の重さを腰に集中させるので酷使される筋肉の視点だけでみればやはり「楽」だといえます。
しかし、それらは身体の一部分が楽をする代わりに他の部分に大きな負担やデメリットを与えているのです。それは後述しますが、とりあえずここでは正しい姿勢の確認方法をみていきましょう。
それではまず、壁に踵(かかと)、お尻、背中、頭を付けるように立ってみましょう。その四点がキチンとついているのが良い姿勢です。はじめは窮屈に感じると思いますが、その感覚に慣れることが大切です。
さらに反り腰になっているかのチェックは、その立姿勢をしながら腰と壁の間に手のひらをいれてみることでわかります。例えば自然な形で手のひらを入れられれば反り腰にはなっていません。
一方で、手のひらだけでなくこぶしも入ってしまうようであれば反り腰になっていると判断できると思います。
反り腰によって起こる身体の不調
さて、それでは反り腰になることで起こる身体の不調について確認していきましょう。先ほども申し上げた通り、反り腰や猫背になる事で引き起こされる最大の問題は、見た目を除けば身体のどこかが「楽」をしている状況を作り上げてしまうことにあります。
しかし、人間の身体はとてもよく出来ていて必要のない部分というのは存在していません、では必要な部分が使われないとどうなるでしょうか?使われていない筋肉は衰えていき、脂肪を蓄えやすくなります。
また必要ないずれかの個所を使わないと困るのは、それによって酷使される箇所です。たとえば体重の一割といわれる頭部の筋肉を支えている首回り、身体全体の筋肉量の半分近くがある腰回り、身体で一番太い筋肉であるハムストリング(ふとももの筋肉)、反り腰が原因であればすべては当てはまりませんが、身体のどこかが楽になってしまうとこういった箇所に負荷が集中したり、筋肉が使われないので様々な問題を引き起こしてしまうのです。
それでは反り腰が原因でおこる症状をみていきましょう。
腰痛の原因になる
これは容易に想像がつくと思います。最近ではあまりないと聞きますが学校の朝礼に参加して長時間立っていると足ではなくて腰が痛くなった経験は誰にでもあると思います。それは長時間しっかりとした姿勢で立とうとして反り腰ぎみな姿勢をとってしまうからです。
また慢性的な反り腰になると、筋肉の低下によって骨盤が本来あるべき位置からズレ、不安定な状態になり、骨盤と繋がっている腰椎に負担を掛けやすくなり、その周辺の筋肉にも同様に負担をかけることで腰痛を引き起こしてしまうのです。
スタイルが悪くなる
反り腰はスタイルの天敵です。例えば三日月のように腰を反ってみてください、するとお腹が出てきて、お尻が垂れ下がります、さらにこの状態を長く続けているとお腹とお尻の筋肉が衰えていき、そのままの姿勢で固まっていき典型的な中年太りになってしまいます。
もし、ご自身がどれだけスリムでもぽっこりお腹では格好がつきません。さらにいえばお尻が垂れ下がると脂肪を蓄え大きくなるだけでなく、骨盤周辺の筋肉も低下していき肥大化を進行させてしまう原因となります。
下半身が太りやすくなる
先ほども登場しましたが反り腰は太りやすい体質を作ってしまいます、特にその影響が出るのは下半身で臀部(お尻)の肥大化につながるだけでなく、腰椎と骨盤の位置にズレが生じて、周囲の筋肉やそれに覆われている血管、リンパ管なども歪んでいきます。
さらに下半身は、元々心臓よりも遠い位置に存在しているのでリンパの流れが悪く、ここが動かいないとむくみが現れ、老廃物質(栄養分の搾りカス)が溜まっていきます。すると排出されない老廃物質が溜まり細胞の代謝も悪くなっていくのです。その結果、下半身太りになります。
反り腰の対策法
最後に、反り腰に有効なトレーニング方法をご紹介します。
まずは骨盤周辺の筋肉を解すトレーニング方法です。椅子に座った状態で上半身を真っ直ぐに伸ばしましょう。頭の位置はそのままキープさせ、腹筋に力を入れ、おへそを背もたれに引き付ける感覚を5秒間維持してみましょう。少ない時間ですが繰り返し10セットほど続けていくと効果が出てきます。
次に反り腰が原因で腹筋が弱くなり、ぽっこりお腹になる原因を改善しましょう。
体育座りの状態から、両手を膝に置きます。そして体全体を後ろに倒し、肩甲骨が床に付く手前で元に戻ります。そのまま体を前に倒し、足裏が床に付く手前で戻します、まるでゆりかごの様に前後に揺れましょう。無理をせずゆっくりと2~30秒ほど行い、体育座りの状態に戻ります。これも5セットほど行うと効果が出てきます。
こういったトレーニングは例えば寝る前や座っている時など、いつでも行えますので常に意識して時間があれば行う、という習慣がつくと素晴らしいと思います。
まとめ
今回は、猫背の反対で腰を反り過ぎてしまう反り腰について記事を書いてまいりました。
姿勢の悪さというのは見た目だけでなくスタイルを悪くし、さらに腰痛などを引き起こす原因にもなるとお分かりいただけたと思います。確かに日々の生活を忙しく送っていると自分の身体の面倒まで見ていられない、というのが正直なところだとおもいます。
しかし、冒頭でも触れた通り、良い姿勢はご自身の健康だけでなく、人の印象も良くします。印象が良くなれば自信がつくだけでなく、仕事、家事、勉強のやる気にもつながるものですからぜひ、普段から良い姿勢でいれるように注意しましょう。