栄養の摂り過ぎの何がいけないの?栄養過多!!

ひと昔前に比べて私たち日本人の栄養事情は格段に良くなったと言えます。少しでもお腹がすけばすぐに食べ物を購入することが出来ますし、健康に気をつかう人であれば気軽に足りない栄養をサプリメントで補うことが出来るようになりました。

戦後まもなくの日本からは考えられない事ですが、そういった昨今の栄養事情新たな問題を発生させています。それが栄養・糖質の過剰摂取という問題です。最近ではダイエットと聞くと糖質を制限するものが流行っていますが多くの現代人は糖質を摂り過ぎているということをよく聞きます。

また健康についての情報も溢れ、貧血が起こるのであれば鉄分を取るように、筋肉をつけたいのであればたんぱく質を取るように、男性が元気を取り戻すのであれば亜鉛が良いというように足りない栄養素も簡単にわかる世の中です。しかし身体にとってはある一定の栄養だけを過剰摂取するというのはあまり良いことではありません。今回はそんな最近の栄養事情について記事を書いていこうと思います。

過剰に摂取すると良くない食品

それではいくつか確認していきたいと思いますが、まず代表的な所でいえば身体を動かすエネルギーを作り出す糖質ですね。これは炭水化物などに多く含まれていることは皆さんご存じと思います。また糖質の過剰摂取が肥満を生み出すこともご存知だと思いますが、この理由はグリコーゲンが身体に溜まっていくことが原因です。

ちなみに多く方は糖質糖類炭水化物という言葉は聞いた事があるけれど実際に説明するとよくわからないという方が多くいらっしゃると思いますので補足しておきます。

炭水化物はご飯やパンなどに多く含まれる栄養ですが、これは糖質食物繊維を含んだ食品の総称です。糖質は脳や身体を動かす物質で人間の身体で吸収することが出来ますが、食物繊維は吸収できないので体外に排出されます。ですから、便秘には食物繊維が良いといわれているのです。

つまり糖質というのは炭水化物から食物繊維を取り除いたもの、そして糖類というのはいわゆる砂糖やはちみつといった甘いものを指しています。ですから糖質も糖類も炭水化物の一部ということですね。

話が逸れましたが、炭水化物の過剰摂取によって肥満が起こる原因ですが、まず炭水化物は体内で糖質炭水化物に分けられます。次に糖質はグリコーゲンという物質に変化するわけですが、このグリコーゲンは大部分が筋肉肝臓に溜まっていき、これを燃焼することでエネルギーを生み出します。余談ですが、それぞれ筋グリコーゲン、肝グリコーゲンというように呼ばれ、マラソンを始めする有酸素運動を続け、このグリコーゲンが枯渇するとハンガーノックが起こり、人間は活動を続けることが出来なくなります。よくスポーツ選手の身体が突然動かなくなってしまうあれですね。

そしてこのグリコーゲンを多量に摂取しても活動せずにいると、今度は体脂肪へ変化し身体に蓄積され、肥満になっていくというわけです。一方で糖質を全くとらないでいると今度はエネルギーが作り出せないので疲れやすくなり、糖分の不足を補うためにタンパク質をエネルギー源にするため筋肉量が低下し、代謝が落ち・体温が低くなってしまいます。

また身体は動かせても糖質は脳にとっての唯一のエネルギー源なので頭が働かなくなったり、ぼーっとする時間が増えたり、集中力がなくなるといったことが起こります。一つの栄養素の過不足によってこれだけ身体に異常がみられるとは驚きですね。

その他に過剰摂取することが良くない栄養素

ここからは栄養素ごとに過剰に摂り過ぎた場合、取らな過ぎた場合に起こる症状を見ていきましょう。例えばナトリウム、これが少ないと日中眠気に襲われたり、低ナトリウム血症を引き起こします。低ナトリウム症というのは水分を摂り過ぎることで身体のナトリウム濃度が下がり、下痢、心不全、肝疾患、腎疾患などを引き起こす病で、一般的な言い方をすれば熱中症の時に起こる症状の事です。

反対にナトリウムを摂り過ぎると起こるのが高血圧、心血管障害、脳疾患、生活習慣病などです。ナトリウムという言葉になるとピンとこなくなってしまいますが、要は塩分です。塩、しょうゆ、みそ、そして調味料、食品添加物にも多く含まれていますので濃い味の食事がお好きな方は注意が必要です。

その他にもカルシウムは過剰に摂取すると尿路結石を生み出したり、高血圧、胃腸障害を引き起こしますが、足りないと骨粗しょう症を始めとする骨の疾患にかかりやすくなります。

あるいはよく不足しがちだといわれる鉄分も足りないと貧血を生み出しますが、過剰に摂取しすぎると便秘、胃腸障害、鉄過剰症を引き起こします。鉄過剰症というは脱力感や疲労感が発生し重度になると皮膚が黒っぽくなったり、糖尿病関節痛勃起障害を引き起こす疾患です。

まとめ

今回はいくつかの栄養素が足りない場合、あるいは反対に過剰に摂取してしまった場合、身体にどのような事が起きるのか確認してまいりました。

お読みいただければお分かりになったかと思いますが、どのような栄養素も摂取しすぎても足りなくても身体には不調が現れます。大切なことは様々な食品をバランスよく摂取することですが、なかなか自由に食事を選んでいてはかないません。

もしも将来の健康に気を使われる方は一度、専門家に相談の上、栄養バランスのよい献立を作ってみても良いかもしれません。