肩こりからくる頭痛を今すぐ解消!1日2分の『頭痛体操』で簡単ストレッチ
あなたは、「肩こりがひどく頭痛がする…」という経験がありませんか?
肩こりからくる頭痛に悩んでいる方って多いですよね。
実は、肩こりや頭痛をたった2分で改善できるとても簡単なストレッチがあるんです!
それが今回ご紹介する「頭痛体操」。
オフィスでも手軽に行うことができますので、ぜひ試してみてくださいね。
肩こりのメカニズム
頭痛体操をご紹介する前に、まずは、肩こりについてお話します。
多くの日本人の悩みのタネである肩こり…。
実は、明確な定義があるわけではありません。
肩こりとは、肩周辺の筋肉のこりによって引き起こされる症状の総称です。
「ツッパリ感」「張り」「だるい」「違和感」など、人それぞれの症状を表現しています。
このように、肩の周辺には、大小さまざまな筋肉があります。
肩がこっている状態というのは、これらの筋肉が常に緊張し、かたくなっている状態なのです。
平成25年に厚生労働省によって行われた健康状況の調査では、病気やけがなど何かしらの自覚症状がある人のうち、半数以上が肩こりに悩んでいるということが明らかになりました。
自覚症状として訴えられる症状のうち、肩こりは、男性では腰痛の次に2番目に多く、女性では最も多い症状となっています。
(参考:平成25年国民生活基礎調査の概況Ⅲ世帯員の健康状況―厚生労働省)
肩こりに関する3つの説ウソ?ホント?
ここで、肩こりにまつわる説を3つご紹介しましょう。
この3つの説、はたして本当なのでしょうか?
1.「肩こり」という言葉を発見したのは〇〇〇!?
2.英語に「肩こり」という言葉は存在しない!?
3.外国人は肩がこらない!?
【肩こりにまつわる説】
1.「肩こり」という言葉を発見したのは〇〇〇!?
私たちが日常的に使っている「肩がこる」という表現。
これを最初に使ったといわれている人物をご存知ですか?
実は、明治時代の文豪、夏目漱石なんです。
指で圧してみると、頚と肩の継目の少し背中へ寄った局部が、石のように凝っていた。
(引用:夏目漱石著『門』)
この作品が発表される前は、肩こりの症状を指す言葉は日本語になく、肩こりという言葉が生まれたことで、多くの日本人が肩こりを自覚するようになったという説もあります。
しかし、実際には、夏目漱石よりも前から、「肩がこる・肩が張る」という表現が使われていたという記録が残っています。
また、江戸時代には、肩こりと同じ用法で、「肩癖/痃癖(けんぺき)」という言葉が使われていたそうです。
ただ、夏目漱石の作品を通じて、肩こりという表現が広く伝わったのは事実でしょう。
【肩こりにまつわる説】
2.英語に「肩こり」という言葉は存在しない!?
日本語の肩こりと一致する単語が外国には存在しないということを聞いたことがある方もいるでしょう。
肩こりを英語に直訳すると、「stiff shoulder」。
ところが、この単語、海外では通じません。
それはなぜでしょう?
実は、日本と外国で肩の認識が異なるためなのです。
shoulderというと、英語では肩関節だけを指しているそうです。
私たち日本人も関節がこるとは思っていないでしょう。
肩こりの原因となっているのは肩周辺の筋肉の緊張ですが、欧米では肩周辺の筋肉を含め腰までの筋肉はすべて背中の筋肉と考えられています。
例えば、腰痛の場合、一般的には、「backache・pain in the lower back」と表現されます。
つまり、これらは、背中の痛みや背中の下あたりの痛みとなるのです。
また、よく考えてみると、首や肩、背中にかけてこっている状態を肩こりと表現しているのであって、必ずしも肩だけがこっていることを指しているわけではありませんよね。
【肩こりにまつわる説】
3.外国人は肩がこらない!?
肩こりという英単語はないという情報から、「外国人は肩をこらない」という説を聞いたことがある方もいるでしょう。
はたして、これは本当なのでしょうか?
前述のとおり、肩の認識が違うため、肩こりの見方も異なります。
しかし、肩こりの原因は、肩周辺の筋肉の緊張です。
つまり、長時間のデスクワークなどで同じ姿勢を続けていれば、外国人であってもこりは存在するのです。
近年、世界一気持ち良いマッサージとも呼ばれる「スウェディッシュマッサージ」の認知度が、急速に高まっています。
肩こりや頭痛に効果的といわれているこのマッサージは、200年以上も前のヨーロッパで誕生したものです。
このことから、昔から外国人にもニーズがあったと推測することができます。
また、実際に、長く日本に住んでいる外国人の多くは、肩こりに悩まされているといいます。
これは、日本のテレビやCMによる影響だそうです。
病は気からといいますが、意識した途端に悩みだすというのもおもしろいですよね。
ちなみに、ドイツ語にはすっぴんという言葉がないそうです。
これは、ドイツには、自分の結婚式でさえ化粧をしない人がいるほど、すっぴんでいる女性が多いからとのことです。
(参考:サンドラ・ヘフェリン著『満員電車は観光地!?~世界が驚く日本の「日常」』)
肩こりの原因のは、ストレスだった!
このように多くの人が悩む肩こりですが、その多くは、過剰な負荷やストレスによって、筋肉が緊張し、疲労したり、血流の悪化を起こしたりすることが原因です。
同じ姿勢のままパソコンやスマホを使用すると、前かがみになり、頭を支える首や肩の筋肉に負担をかけてしまいます。
また、長時間画面を見続けることによる目の疲れや眼精疲労も原因のひとつです。
このような身体的なストレス以外にも、職場での人間関係やプレッシャーなどの精神的なストレスも肩こりを引き起こす原因となってしまいます。
その他、変形性頚椎症や頸椎椎間板ヘルニア、五十肩などの整形外科疾患が原因となり、それにともなう症状として、肩こりが引き起こされる場合があります。
また、高血圧症や狭心症、貧血、更年期障害、うつ病などの整形外科疾患以外にも肩こりをともなう疾患が存在します。
(参考:肩こりのメカニズムとその原因3つに分類される病因―いしゃまち)
肩こりからくる頭痛の3つの種類
肩こりだけでもつらいのに、肩こりからの頭痛に悩まされる人が多くいらっしゃいます。
実は、肩こりによって起こる頭痛にも種類があるというのをご存知ですか?
肩こりからくる頭痛は、次の3つです。
1.緊張型頭痛
2.血管性頭痛
3.症候性神経痛
これらの違いは一体何なのでしょうか?
【肩こりからくる頭痛の種類】
1.緊張型頭痛
頭痛には、偏頭痛などの慢性頭痛や群発頭痛など、さまざまな種類があり、痛みの程度もそれぞれです。
その中で、もっとも多い約7割を占めているのが、この「緊張型頭痛」なのです。
緊張型頭痛は、首や肩の筋肉の緊張が原因と考えられており、「筋収縮性頭痛」と呼ばれるほどです。
首筋から頭にかけて締めつけられるような痛みが、良くなったり、悪くなったりを繰り返しながら数日以上続くこともあります。
また、悪化すると、頭痛が起こる頻度が上がり、常に鈍い痛みを感じたり、時には、吐き気やめまいをともなったりする場合があります。
【肩こりからくる頭痛の種類】
2.血管性頭痛
一般的に、血管が脈打つようにズキンズキンと痛む場合は、「血管性頭痛」ともいわれ、偏頭痛の特徴とされています。
血管性頭痛の場合、頭皮の動脈が拡張することによって、痛みが発症します。
血管性頭痛の発生周期は人によって異なります。
1週間に2~3回痛みが生じ、つらい思いをされている方もいらっしゃいます。
【肩こりからくる頭痛の種類】
3.症候性神経痛
ひどい肩こりに悩んでいる方で、一方の目の奥を突き刺されるような強い痛みを感じることがあります。
これは、肩こりによって、頚から頭に通っている神経が圧迫されていることが原因です。
ひどい肩こりの方は、目の疲れや目頭の重さを訴えることがあります。
これらの症状は、目の周囲の筋肉の緊張と深い関係があると考えられており、この筋肉のこりによって、目の奥に位置する三叉神経が刺激され、「三叉神経痛」が起こります。
本来の三叉神経痛は、肩こりが原因で起こるものとは異なりため、混同しないように注意しなければなりません。
また、首筋のこりが後頭部を走る神経を刺激し、後頭部にビリッと電気が走るような痛みを感じる「後頭部神経痛」が引き起こされる場合があります。
(参考:肩こり、頭痛の解消法!?ストレッチは効くの?―いしゃまち)
肩がこると、頭の筋肉も緊張する!?
ではなせ、肩がこると、頭痛が起こってしまうのでしょうか?
長時間のデスクワークの後などに、肩こりや目の疲れを感じることがあります。
実は、知らないうちに頭もこっていることがあるのです。
パソコンやスマホを使い、目を酷使したり、歯を食いしばったりすると、頭がこってしまいます。
頭は、首や肩に比べ、こっているという自覚症状を感じにくいと考えられており、ついつい見落としてしまいがち…。
しかし、頭のこりを放っておくと、頭の筋肉が緊張し、頭を締め付けてしまうため、頭痛の原因になってしまうのです。
【簡単セルフチェック!】
頭がこっているかどうかを簡単に確かめるために、自分の頭皮を両手の指の腹で軽くもむように触れてみましょう。
頭皮がかたい、動かない、痛みがあると感じるような部分がありませんか?
もしあれば、それは、頭がこっているサインです。
酸素不足も頭痛の原因に!?
また、「酸素不足」が原因で頭痛が引き起こされる場合があります。
脳をきちんと機能させたり、脳細胞を維持したりするためには、酸素が必要不可欠です。
しかし、何かに集中しているときなどには、無意識に呼吸が浅くなり、酸素を十分にとりこめていないことがあります。
体の中で酸素を運んでいるのは、血液です。
本来、筋肉は伸び縮みすることで、血液を送り出すポンプのような役割を果たしています。
肩こりが起こると、首や肩の筋肉が緊張し、伸び縮みができなくなります。
そのため、このポンプ作用が効きにくくなり、脳に酸素をうまく運べなくなるのです。
では、血行を改善すれば良いの?というとそうではありません。
血流が良くなっても、酸素自体が不足していると、まるで荷物がのっていないトラックが一生懸命走っている状態と同じです。
集中して作業を行っているときなど、呼吸が浅くなっているな…と感じたら、意識的に深呼吸をしてみましょう。
肩こり頭痛に効果的!1日2分の『頭痛体操』
偏頭痛の予防や緊張型頭痛の緩和に効果的なのが「頭痛体操」です。
2分程度で、肩こりや肩こりからくる頭痛の原因となる首や肩の筋肉の緊張をほぐすことができます。
①正面を向き、頭を動かさないようにしましょう。
②肘を軽く曲げ、両手を胸の高さで保ちます。
③腕を水平に保ちながら、2分間左右交互に振ります。
腕と肩の力は抜き、頭を支えている筋肉をリズミカルに行いましょう。
首を動かさず、体の軸を意識するのがコツです。
いすに座ったままでも効果が期待できます。
デスクワークの合間など、ちょっとした時間に試してみてくださいね。
【注意!】
このようなときには、頭痛体操をしてはいけません。
・偏頭痛の発作が起きているとき
・激しい痛みがあるとき
・発熱をともっているとき
また、この体操の最中に、痛みが激しくなった場合は、すぐに中止してください。
(参考:埼玉精神神経センター埼玉国際頭痛センター長 坂井文彦先生監修『1日2分の頭痛体操』)
まとめ
いかがでしたか?
肩こりからくる頭痛って本当につらいですよね…。
今回ご紹介した「頭痛体操」は、オフィスでも行うことができます。
長時間のパソコン作業の合間など、定期的にストレッチしてみてくださいね。
手軽な「頭痛体操」で、日頃から肩こり予防を行っていきましょう。
ただし、頭痛にはクモ膜下出血や髄膜炎など、何らかの病気が原因となっている場合があります。
強い吐き気やめまい、けいれんなど、いつもとは異なるような頭痛の症状を感じたときは、速やかに医師の診断を受けるようにしてください。