周りの理解が必要不可欠?月経前症候群!
男性と女性は理解し合えないことがたくさんあると思います。それは例えば考え方が違ったり、体質が違ったり、なりやすい病気が違ったりと異なる点が多くあるからです。
その中でも妊娠・出産と毎月の月経、これらを男性が完全に理解することは難しく、恋人同士でもわかりあえずに喧嘩の原因となってしまうこともあります。しかし知識として持っていれば多少は理解することができ、これによって口論の火種を作らずに済むかもしれません。
今回はそんな女性特有の月経に関する病、月経前症候群について記事を書いていこうと思います。昨今では様々なメディアが健康や病気に関するプログラムを組んでおり、病名をご存知の方もいらっしゃると思いますが、多くの女性にとって月経は非常に身近な問題であるがゆえにその時期に起こる感情の起伏の変化や下半身の痛みが起こって当然、という認識から放置してしまいがちです。けれど病名がわかればある程度の対処は出来ますし、周りへの理解や協力を求めることができるようになるかもしれません。
それでは詳しく確認してまいりましょう。
月経前症候群(PMS)とはどんな疾患?
冒頭でも触れていますが月経の前後に起こる情緒不安定や倦怠感などを引き起こす疾患です。通常であれば月経の前後にだけ起こるものですが、人によってはさらに長く1週間~2週間ほど症状が継続する方もいらっしゃいます。
具体的な症状はイライラが収まらず怒りやすくなったり、原因もなく緊張感・不安感を覚えるうつ状態に陥る、仕事や趣味への興味を失ってしまう、集中力が低下する、睡眠がとれなくなる(睡眠障害)、その時だけ味覚が変り甘いものを欲するようになる方もいらっしゃいます。
その他にも体重の増加、むくみ、頭痛、肩こりなどが現れる場合もあります。余談ですが、うつ病を発症する方の多くは睡眠障害も患っており、睡眠がとれなくなるとうつ状態になりやすくなってしまいます。
また原因はすべてが解明されてはいませんが、月経の期間に起こることからストレスやホルモンバランスの変化だといわれています。成人してからはホルモンバランスがほとんど変化しない男性に比べ、女性の場合、月経の前になると女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンが分泌され、月経が終わると分泌が止まります。
このホルモンバランスの変化は妊娠・出産時にも起こるのですが、それによって産後うつという月経前症候群に似た症状を引き起こす疾患もあるのでやはりホルモンバランスの変化や乱れは情緒や体に影響を及ぼすものと言われています。
月経前症候群(PMS)かもしれないと思ったら?
やはり一番は専門家に相談することが解決への近道だと思いますが、ご自身の身体の状態をきちんと把握してから相談するとよいでしょう。月経前症候群の症状は人によってケースがバラバラで症状の重さも異なります。
そのため、どういった症状が起きているのか把握できないことには対処が難しい場合があるからです。また冒頭でも触れていますが月経は女性にとって身近な問題ですから、この期間だけ耐えれば症状が収まると決めつけて放置してしまう方が多くいらっしゃいますがその症状が緩和したり、改善できる方法があるかもしれませんから、やはり面倒がらずに相談するようにしましょう。
しかしそうはいっても仕事がなかなか休めなかったり、まだ小さなお子さんがいたりした場合、家を空けるのが難しいという方も多いと思いますので、今回はご自分で取り組める改善方法を記載します。
例えば食事療法、月経前症候群はミネラルやビタミンの補給が効果的で、具体例を挙げればビタミンB6、ビタミンD、カルシウム、マグネシウムなどは積極的に摂取すると良いでしょう。
それぞれの栄養が含まれている食品はビタミンB6ならニンニク、マグロ、レバー、鶏肉。ビタミンDは柑橘系フルーツや干ししいたけ、鮭、さんま。カルシウムは牛乳を初めとした乳製品、桜えび、しらす、ホッケにも含まれています。
マグネシウムの場合ならば、納豆、きなこ、木綿豆腐や豆類にも多く含まれています。特に納豆は女性ホルモンの分泌を促す効果があり、PMSの症状が出ていなくても月経を安定させるために積極的にとりましょう。
まとめ
今回は月経の期間に現れ、イライラや不眠、うつ症状、睡眠障害、倦怠感などを引き起こす月経前症候群(PMS)について記事を書いてまいりました。文中でも触れていますが、この疾患は人によって症状の程度が異なり、同姓であっても周りにきちんと説明しなければ理解が得られない疾患です。
また冒頭の通り、その症状を男性に理解してもらうことはさらに難しく、きちんと話し合いをしたり自分から症状を発信しなければ月経が来ている時はいつもイライラしている人、その時期は急にサボり魔になるなど、いわれのない認識を持たれてしまうかもしれません。
出来れば積極的にパートナーと喧嘩したいという方は少ないでしょうから、火種が燃え広がる前に相手に理解してもらい、その時期に自分がしてほしい対処も考えるとよいでしょう。それは例えば症状が収まるまで放っておいてもらう、あまり話しかけないでもらう、あるいはイライラとする気持ちが起こらないように生活のルールを決めておく、といった対処法もあります。静かに楽しく暮らすためにも話し合いと相互理解を進めていきましょう。