痛みがなくても要注意!足の小指に起こる内反小趾とは?
日常的によく起こる不調というのは往々にしてあまり気にも留められず放置されてしまうことがよくあると思います。例えばそれは風邪であったり、頭痛あるいは捻挫なども大変なものとは捉えられません。
また同様に周りのみんなも患っていれば少し位の変形は大丈夫と思ってしまうのが、今回ご紹介する内反小趾です。同じような言葉で外反母趾というものがあり、これは知名度も高いのでご存知の方も多いと思いますが、外反母趾は足の親指、内反小趾は足の小指に変形が起こる疾患です。
これらの疾患は重症化しない内は痛みも少なく、どちらかというと足の指がきれいに見えない、という点に不満が行きがちですが、足の指が正しい位置にあり、しっかりと体重を支えて分散することには大きな意味があります。それでは詳しく確認していきましょう。
内反小趾とは
足の指が変形しているために靴を履くと擦れて痛い、炎症を起こしている・・・。こんな症状を聞くとまず思い浮かべるのが足の親指に起こる「外反母趾」ですが、これが足の小指に起こる場合を「内反小趾」と言います。実は内反小趾は外反母趾よりも症例が多く、また女性だけでなく男性にも多く見られるのですが、外反母趾と違って痛みを伴わないことも多いため、自分が内反小趾であることに気づいていない人も少なくありません。
内反小趾とは足の小指(小趾)の付け根(第5中足骨頭周辺)が炎症して腫れるためにその部分が出っ張ってしまい、その先の小指の骨全体が薬指側に向かってくの字に曲がってしまっている状態のことです。この屈折角度によって内反小趾の重症度が決まるのですが、前述の通り内反小趾は痛みがなく本人も自覚していないケースが多いため、心配な人は足を床に着けた状態で外側の側面に定規などを当て、角度を確認してみましょう。一般的には小指の傾きが10°未満であれば正常、10~20°未満であれば軽度の内反小趾、20~30°は中等度、30°以上になると重度の内反小趾と判断されます。
また痛みを感じるケースは少ないものの、内反小趾になると足や姿勢、歩行などに幾つかの症状が見られることがあります。足そのものに関する症状としては、小指の付け根の腫れや靴と擦れることによるタコ、ウオノメ、小指の爪が薬指に刺さる、など等。また足の小指は歩くときに膝が外向きにならないよう支える役割も果たしているため、内反小趾になるとがに股やO脚、X脚になったり、体のバランス感覚が悪くなるため躓きやすくなったり足首を捻挫しやすくなったりします。姿勢も悪くなり、骨盤が歪んだり腰痛・膝痛を引き起こしたりすることもあります。
内反小趾の原因
内反小趾になる主な原因は足に合わない靴を履いていることで、例えばサイズが小さすぎる靴を履いていると足の小指が靴の中で圧迫され骨が曲がってしまいますし、つま先の細いハイヒールだと小指が内側へと押し付けられるうえに足指の付け根に強い負荷がかかり、変形しやすくなってしまいます。一方大きすぎる靴を履いている場合でも、靴の中で足が前滑りしてしまわないよう無意識に足指に力を入れてしまうため、負荷がかかって内反小趾になってしまう可能性があります。
また足のアーチが崩れて「開帳足」になると足の幅が広くなってしまうため、同じ靴を履いていても小指が靴に擦れてしまうようになりますし、がに股や内股など歩き方が良くないと体の重心のかけ方が偏ってしまい、やはり内反小趾を引き起こしてしまうことがあります。
まとめ
今回は足指の変形が小指に起こる内反小趾について記事を書いてまいりました。文中にもあるように男性にも起こることがありますが、やはり多くは女性に見られます。その理由は男性に比べて女性の身体というのは筋肉量が少なく、妊娠・出産の必要から身体が柔軟になるように出来ているからです。
その為、内反小趾に限らず、外反母趾や偏平足あるいはそれらに付随する膝や下半身の変形なども起こりやすい傾向がありますので注意が必要です。また内反小趾の予防には先のように筋肉量を維持することが大切なのですが、毎日のこととなるとなかなかトレーニングを続けるモチベーションが続かないものです。
そういった時は下記のように座っている時にできる簡単なトレーニングを気づいた時に行う、などあくまで気負わずに出来るストレッチを続け、習慣的にこなせるように努力しましょう。
ストレッチ・トレーニング
内側に曲がってしまった小指を矯正するには足指を正しく動かすトレーニングやストレッチに取り組む方法があります。簡単に挑戦できるトレーニングとして知っておきたいのがグーパー運動です。
足指を広げた状態から、5本の指をギュッと曲げた後、大きく広げる運動を繰り返しましょう。足指を曲げるときだけでなく、広げるシチュエーションでもしっかり力を入れるのがコツです。足の下に敷いたタオルを足指で掴むタオルギャザーというトレーニングも内反小趾対策になります。
タオルギャザーの際にはタオルを掴んだとき足裏が浮き上がるほど力を入れてください。それぞれの足指を手で掴み、外側に広げる形で行うストレッチは足の小指が内側に曲がらないようにする効果が期待できます。
引用:TENTIAL