繰り返しの練習が招く悲劇、テニス肘!

学生時代は自分の望むスポーツを部活に選び、好きなように練習することが出来ますが、特に社会人になると周りの人とコミュニケーションを図る目的で練習するスポーツを選ぶ方もいらっしゃると思います。

格闘技を始めたり、フットサルゴルフが人気ですが、テニスも同様に人気があり、趣味で始めている方も多くいらっしゃると思います。また昨今では男性、女性ともにテニス選手が大きな大会で優勝したり、結果を残したりして徐々に人気が出てきていますね。

今回はそんなテニスに関わる疾患をご紹介しようと思います。それぞれのスポーツには競技の特性上、ケガを起こしやすい箇所が存在しますがテニスの場合、それは圧倒的に肘です。それでは確認してまいりましょう。

テニス肘ってなに?

正式名称は上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)と呼ばれていますが、テニス肘の方が書きやすく覚えやすいと思いますので、こちらの名称で進めさせていただきます。

このテニス肘の説明は肘の構造を理解していただいた方が早いと思いますのでまずはそちらから始めてまいります。当たり前の話ですが、肘は内側にしか曲げることが出来ません。外側に無理に曲げようとすれば折れてしまいます。

こういった片方にしか曲がらない関節を俗に蝶番関節(ちょうばんかんせつ)と呼びます。蝶番とはドアについている蝶番(ちょうつがい)の事です。ドアも肘と同じように手前に引くか、奥に押すかの動きしか出来ませんのでこのような名前で呼ばれています。

つまり、テニス肘の主な原因はこの蝶番関節をあらぬ方向に曲げてしまうことから起こります。テニスにはフォアハンドとバックハンドという打ち方があります、バックハンドとはテニスや卓球などで、ラケットを持つ手の反対方向でボールを打ち返す動作のことです。

この動きは関節の構造上、ボールを打ち返した時に発生する衝撃の逃げ場がなく、肘の内部にある短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)という筋肉を傷めてしまうのです、またこの筋肉は他と比べてとても薄い腱でつながれているため、頻繁に動かされると炎症を起こし、肘の内側か外側に痛みが走るようになるのです。

テニス肘の症状は?

テニス肘というのは何もテニスを行っている人だけに発症する疾患ではありません。基本的に肘を始めとした関節は捩じる(ねじる)力に弱く、それらの行動を繰り返し行っている方であれば誰にでも発症します。

例えばドアノブを回したり、ぞうきんを絞ったりする動作、ペットボトルのキャップをはずしたり硬い蓋を開けようと思いっきり回したり、最近ではキーボードの打ちすぎや重い荷物やお子さんを常に抱えている方にでも起こる事はあります。

前述していますが、大抵の場合は少しずつ炎症が広がっていき、それと並行して痛みが起こります。そして痛みを放置したまま練習を続けたり、肘に負荷のかかる行動を続けていると痛みが慢性化して、肘を動かすと常に痛みが走る状態にまで陥ります。

テニス肘の症状が出てきたら?

すでにお話している通り、テニス肘の主な原因は肘の使いすぎにありますので、痛みが発生した時点で休息を入れて、出来れば専門家に相談することをおすすめします。

というのも本人はテニス肘だと思っていても実は違う疾患の場合もありますし、テニス肘に似た症状が出ているけれど実は他の個所が原因で痛みが発生していることもあるからです。症状の改善にはまず原因の究明が不可欠なのでやはり、一度誰かに相談してみるのがいいと思います。

もしも、ご自身で何とかしたいという場合は、まずは炎症を抑え、痛みを少なくすることが先決です。その為にはまず休息をとる事、次に冷やしてあげると効果的です。しかし、多くの方々のイメージでは炎症を抑える=冷やすというイメージが先行しすぎて冷やし過ぎてしまう方が多くいらっしゃいますので気をつけてください。

また冷やしてばかりでなく、キチンと湯船に浸かって身体を温めてあげることも忘れないようにしましょう。というのも炎症というのは傷ついた身体を治そうとする自己治癒能力の一環ですから、人間の免疫力や細胞の働きが一番活性化する37度に体温を近づけてあげると効果的なのです。

しかし、長風呂はいけません。炎症は身体の治癒動作であると先ほど記載しましたが、度が過ぎる細胞を破壊する活動が活性化してしまい治癒が遅くなってしまうからです。

まとめ

今回は、特にテニスを嗜んだり、日常生活で肘を酷使したりする方がなりやすいテニス肘について記事を書いてまいりました。

肘は日常生活でも意外としようする箇所ですから、痛みが走るとそれが気になってスポーツ仕事、家事が億劫になってしまったりと、健康にとってよくありません。

いつまでも楽しく、そして健康に過ごすために、スポーツをする時はウォーミングアップとクールダウンを欠かさず、無理なく取り組みましょう。

 

 

テニス肘

Posted by aoi-staff