骨が折れても気づかない?疲労骨折!
骨が折れてしまったというとすぐに事故にあった、あるいはスポーツによるケガなどを想像してしまいますが、骨折は何も衝撃によって起こるものだけではありません。何度も繰り返して負荷をかけ続けることで起こる骨折もあるのです。
「なんとなく痛みを感じるから病院へ行ってみると疲労骨折だった」という話を聞いた事がある方もいらっしゃるかもしれませんが、強い痛みがあるわけでもなく、ちょっとした違和感ほどしか感じないような方もいらっしゃいます。
ちなみに最初に訂正しておきますが、骨折と聞くとどうしても骨がぽっきりと折れてしまうことを想像すると思いますが、実はこれが誤りで少し欠けた、あるいはちょっと外れてしまった、というような場合も骨折という診断をされますので、この点、ご注意ください。それでは疲労骨折について記事を進めてまいります。
疲労骨折とは?
冒頭の通り、特別な外傷が無かったり、何かしらの衝撃を受けた覚えもないのに骨折が起きる症状です。骨折当初は自覚がない場合が多く、初期症状は運動直後もしくは運動中になんとなく疼く、痛むといった程度で、運動をやめると痛みが消えていることがあるため、放置してしまう方が多いです。
しかしそのまま、放置して練習を続けたり、生活スタイルを改善していかないと、骨折が進行していき、日常のなんでもないときでも痛みが発生します。例えば、運動に支障が出るほどの痛みを感じたり、体重がかかっていない状態でも痛むといった具合です。
また、初期はレントゲン検査でも発見されないことが多く、シンスプリント(骨膜の炎症、異常)と判断されてしまうこともあります。1~2週間がたっても痛みが続くようでしたら、再度検査を行い疲労骨折であるかどうかの確認をする必要があります。
疲労骨折が起こる原因は?
疲労骨折には様々な理由が考えられます。日常的にハードな練習を繰り返し行っていたり、女性の場合はホルモンバランスの乱れ、あるいは単純に身体を形成する栄養分が取れていないといったことも考えられます。
やはりバスケやサッカーなど下半身をフルに使うスポーツで起こりやすいですが、珍しいところではゴルフの練習をしすぎて肋骨にヒビが入っていたり、卓球の福原愛選手が足を疲労骨折していたという報道を聞いた事もあります。
また女性のホルモンバランスの乱れについてですが、男性に比べて女性には月経があり、ホルモンバランスが毎月、変化しています。少し寄り道しますが、骨が非常に頑丈な物質であるのは皆さまご存じと思いますが、骨は一度出来てしまったらずっとそのままというわけではなくて毎日、古い骨を破壊して新しい骨にする作業が行われています。
これを骨のリモデルという風に呼びます、女性ホルモンの一つエストロゲンはこの骨を壊す働きを抑制する効果があるのですが、ホルモンバランスが乱れるとエストロゲンの働きが弱くなり、新しい骨を作るよりも古い骨をこわす働きが活発になってしまいます。これは疲労骨折だけでなく、骨がスカスカになってしまう骨粗しょう症の原因にもなり、特に閉経した女性に多くみられます。
最後に栄養不足ですが、これについては次章に積極的に摂取した方がよい食品をご紹介します。
疲労骨折になりにくい身体の作り方
栄養不足からくる疲労骨折はカルシウム、鉄分など骨を強化するミネラルが多く含んでいる食品と新しい骨を形成する働きを持っている食品の摂取が望ましいです。
例えば納豆、納豆は優良なたんぱく質が摂取できることは有名ですが、新しい骨を形成するために必要なビタミンKが含まれています。また先ほども出てきた女性ホルモンを活発にする栄養素も含まれていますのでやはりおススメです。
それから骨を作るといえばカルシウム、と思う方が多いと思いますが、それはやはり正解で牛乳を始めとしてそこから生まれるチーズ、バターも積極的にとっていきましょう。余分な脂肪を抑えたい方は無脂肪牛乳でも同じ効果を得ることが出来ます。
それからスポーツが原因の疲労骨折の場合、筋肉量の不足が考えられます、筋肉は疲労すると硬くなる性質を持っており、硬くなった筋肉は本来の働きでもあるクッションの性能が落ちますので足指の両端、スネの骨(脛骨)の隣にある腓骨(ひこつ)を骨折しやすくなります。これにはやはり納豆や肉といったたんぱく質をしっかりと摂取するようにしましょう。
まとめ
今回は繰り返しかけられた負荷やホルモンバランスの乱れ、栄養素の欠如によって起こる疲労骨折について記事を書いてまいりました。文中でも触れていますが、疲労骨折の初期症状は痛みを感じないことが多く、放置してしまうことが多いです。
特にそれが栄養不足やホルモンバランスの乱れであった場合、放置してしまうと気づかないうちに症状が進行して、重症な骨折が起こったり、あるいは食品に起因する場合はカルシウムを摂取したから明日には骨が治っている、ということはもちろんありませんのでご注意ください。
もしも足に違和感や痛みを覚えたり、鈍い痛みがずっと続くような場合はお気軽にご相談ください。