尾てい骨が痛い!尾骨痛で考えられる原因は?
お尻の痛みと聞くと痔など内臓に関わるものがすぐに思いつくと思いますが、お尻には背骨の終着地点がありますし、お尻を覆う筋肉や上半身と下半身を繋ぐ神経の通り道になっていたりして、意外と痛みを抱えることが多いものです。
もちろん、そういった組織的なものでなくても女性の場合、妊娠・出産が影響して痛みを発生させていることがありますし、事故やスノーボードなどでよくお尻をぶつけてしまったり、何かしらの疾患が影響して痛みを発生させている可能性もあります。
今回はそんな背骨の終着地点でもある尾骨の痛みについて記事を書いていきたいと思います。股関節や尾骨痛などは他人に相談するのが恥ずかしく、痛みを我慢して放置してしまうことがよくありますが、大きな疾患の影響から痛みが出ていることもありますから、早期発見・早期発見を心がけるようにしましょう。
それでは記事を始めてまいります。
尾骨痛の主な原因
「尾骨」とは通称「尾てい骨」と呼ばれるお尻に近い部分にある骨。骨盤の中心後方にある「仙骨」という骨の下にあり、人間にしっぽがあるならここから始まるであろうと思われる部分の、先のとがった骨のことを言います。先がとがっていると言っても勿論周囲には骨盤周りの筋肉やお尻のお肉があるため、通常ここが何かに当たって痛むということはありません。従って、動くときや座るときに尾骨が痛い、あるいは長時間座っていると痛くなってくるなどの症状を感じる場合には、やはりそれなりの原因があると考えられます。
例えば尻もちをついたり何かにぶつかったりして尾骨を打撲したり骨折したりすれば、当然尾骨部分に痛みを感じます。打撲の場合は尾骨周りの皮下組織や筋肉に損傷が起きているため腫れや内出血などを伴うこともありますが、骨に異常があるわけではないので自然と治っていきます。一方尾骨は骨折しても他の骨とは異なり強い痛みや腫れを伴わないことがあるため、いつまでたっても痛みが引かない場合は打撲ではなく骨折を疑う必要があるでしょう。
また妊娠・出産に伴って尾骨が痛むようになることもあります。これは胎児の体重を支えるために骨盤周囲の筋肉に強い負担がかかること、また出産時に骨盤が最大限に広がり、胎児が通り抜ける際に尾骨が強く押されることが関係しています。これらの負荷により尾骨周辺の筋肉や靭帯が強く引っ張られて、損傷を起こしてしまうのです。
一方打撲や出産など特定の原因が思い当たらないのに、尾骨が痛むこともあります。この場合、骨盤周りの筋肉の緊張や、猫背などの姿勢の悪さが関係しているのかもしれません。例えば骨盤周りの筋肉が緊張し硬くなると尾骨が引っ張られて痛みますし、猫背の場合お尻が後ろに傾くため、尾骨周りが圧迫されて痛みやすくなってしまうのです。
尾骨痛が関係する病気
尾骨の痛みが長く続く場合や、痛みだけでなく痺れや歩きにくさなど他の症状も併発している場合には、何らかの病気が関係している可能性も考慮する必要があります。
例えば仙骨に悪性腫瘍が発生している「仙骨脊索腫」の場合、お尻周りや尾骨に慢性的に痛みや痺れを感じる場合がありますし、脊柱管下部の「馬尾」にある神経に腫瘍ができる「馬尾腫瘍」の場合も、尾骨から腰に掛けて痛みがあり、同時にしびれや歩行障害、排尿障害といった症状も引き起こします。特に仙骨脊索腫は稀な病気とは言え自覚症状に乏しいため、尾骨の痛みや痺れが長く続く場合には、できるだけ早く専門家に相談しましょう。
まとめ
今回は背骨の終着地点でもある尾骨の痛みについて記事を書いてまいりました。文中にもありますが、大きなショックが無い場合であれば妊娠・出産や何かしらの疾患が隠れているかもしれないことを考慮してください。
またそれ以外でも体幹がキチンとしていないことで、身体や骨盤が歪み、違和感を覚えるという方もいらっしゃいますので、気になる方は下記のような方法で自身の身体のチェックを行ってみてください。
体幹筋がきちんと使えているかどうかは、自分でチェックすることができます。まずは、平らな場所で四つ這いになりましょう。その後、右脚と左脚を交互に上げてみます。脚を上げたとき、骨盤が左右に大きくぶれたり傾いたりする人は、体幹筋がうまく使えていません。骨盤が動いているかわからない人は、家族に確認してもらうか、スマートフォンなどで撮影して見てみましょう。体幹筋が使えていない人は、歩いているときも骨盤がグラグラ揺れるので、安定しない体を支えるために、脊柱起立筋に負担がかかり、これによって腰痛が引き起こされることがあるのです。
この“四つ這い足上げ”は、体幹筋を鍛えるエクササイズとしても有効です。腰痛が気になる人は、なるべく骨盤を動かさないように意識して、このエクササイズに取り組んでみましょう。体幹筋を使えるようになると、足を遠くに踏み出せるようになるため、階段を上るのも楽になります。
引用:ハレバレ